人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ずっと一緒に
ずっと一緒に_c0048736_1353781.jpg

わん子は、死の前日、
6月30日夕方、発作を起こしました。
その日は、母の三回忌で
午前10時過ぎから留守にしていて
法事を済ませて、少し寄り道をしてから帰宅したので
家に着いたのは、6時前ぐらいだったと思います。
玄関を開けると、いつものように
全員が飛び出してきました。
わん子も元気に出てきて
みんな、チッチ場所へ行ってトイレを済ませてから
やはりいつものように
「お留守番良い子」のオヤツをもらい、
お水を飲みました。
その後、
居間の定位置で、横になっていたので
私は、二階へ着替えのために上がり
一息ついていました。

しばらくするとアニエスが上がってきて、
次に、わん子が上がってくる音がしました。
ハアハア息づかいが荒いのに
私のそばまで来て、モノ言いたげに見上げたので
「チッチ?お水?」と言いながら
一緒に下に降りました。
あと3段というところで、わん子が立ち止まりました。
「どうしたの?大丈夫?」と言うと
また降りてきたけど、降りきったときにちょっとふらつきました。
お外へ行きたそうにしたので、
リードを手に取ったとき、土間に転倒し
「キャーン」と悲鳴を上げました。
抱き起こすと、ひきつけながら脱糞していました。
とりあえず、お尻を拭き、わん子の様子を見ていると
息が落ち着いてきました。
やっちゃんも飛んで来て、その様子を見て、
「落ち着いたから、もう大丈夫かな」と言いました。
数ヶ月前も、同じように発作を起こしたけど、
数分後には回復したので、
また同じような発作だろうと思いました。
それでも、主治医の先生から
何か少しでも変化があったら、知らせてくださいと言われていたので
病院に電話をかけました。
わん子は胸の上下も落ち着いていて大丈夫そうだったけど
病院に入院させて点滴してもらったほうがいいかなと思いつつ
電話口に出た看護士さんに症状を伝えていました
すぐに院長先生に代わったので
わん子を見ながら、説明を始めたら、
そのとたん、わん子の頭が動き
ムクッと起き上がりました。
「あ、先生、今動き始めました」
わん子は、土間から起き上がり、玄関ホールに上がり、
居間にスタスタ入ってきて、
自分の定位置、テーブル下に戻ってきました。
「先生、わん子、自分で起き上がって、歩いてきました」
「そうですか。その様子なら、ひとまず大丈夫そうなので
今日はひとまず、安静にしてあげてください。
何かまた変化があったらお知らせください」
ということで、この日は病院へは行かないことになりました。
どうみても、私の電話を聞いていて
このまま病院に入院させられたら私たちと離れちゃう、と
あわてて、起きてきたような感じでした。
お家にいたい、というわん子の意志をはっきり感じました。

この前日までは、木曜日から飲ませていた新しい強心剤と
追加の利尿剤、ステロイドのせいで
それまで以上に食欲が旺盛で、
金曜夜までは、おねだり攻撃が激しかったのですが、
さすがにこの日は、夕食も食べられませんでした。
大好きなお肉を口に無理矢理入れてみても
舌で押し出して、食べてくれませんでした。

二階寝室よりも、一階の居間のほうが涼しいので
この夜も一緒に寝ていたら
わん子は、目をしっかり開けて、ずっと私から目を離しません。
「寝ないの?もう遅いから寝ようね」って言っても
なかなか目を閉じようとしませんでした。
「もうあまり一緒にいられる時間がない」ってわかっていたのでしょうか。

翌朝、1日の日曜日。
わん子は、比較的元気そうな感じで、
軽く伸びをしてから、朝のチッコをしにお外に出てきました。
そして、チッコを済ませると、居間のドッグベッドに行き、
静かに横になっていました。
朝ご飯の時は、食べたそうな顔でキッチンに入ってきたので
「よかった。食欲が戻ったわ」と思ったのだけど、
いざ、食べ始めたらやっぱり気持ちが悪かったのか、
ほとんど残しました。

抜け毛が久しぶりに、浮いてきていたので
ブラッシングをしました。
わん子は、ブラッシングがとっても好きで
「ブラッシングする?」と言うと
どこにいてもすっ飛んでくる子でした。
いつもなら、ブラシを持っただけで
尻尾ブンブン、大喜びで寄ってくるわん子だけど
この日は、尻尾も振らず、静かに座っているだけでした。
それでも、気持ち良かったのか、
終わったときは、表情も明るくなっていました。
具合が悪くなってから、抜け毛も少なくなっていて
ブラッシングもずいぶんご無沙汰だったので
かなりの量が取れました。

日曜日は、人間だけで実家に行く予定にしていたのですが、
わん子は大のお出かけ好きだし
なんとなくもうあまり時間がないと私も感じていて
今日は、留守番させたくないから、
外出はやめるか、
行くなら、わん子を連れて行こうと決めていました。
わん子は、咳で苦しい時でも、お散歩に行こうとする子で、
お外大好き。お出かけ大好き。
車でのお出かけも、本当に好きでした。
水曜日に病院へ車で行ったときも
すごく嬉しそうにしていたし、
最近、ぜんぜんお出かけしてないから
やっぱり連れて行こう、と決めて
ベッドでグッタリと横になっているわん子に
お出かけ用のお洋服を着せました。
それまで、無表情な感じで横たわっていたわん子が、
その途端に、「え?お出かけなの?」と目を輝かせ
外出の用意をしていたら、ニコニコして自分から玄関に出てきて、
車に駆け寄り、すぐに私の足下に横になりました。

行きの車中では、冷房が心地よいのか
安心した表情で目を閉じていました。
咳もおさまっているし、
二人はそばにいるし、
エアコンは気持ちいいし、
大好きなお出かけだし。
幸せそうな表情でウトウトしていました。

用事を済ませた後、
PETONというショップ内をわん子と3人で歩き回り、
「わん子、これにする?こっちがいい?」とオヤツの袋を見せ
期待いっぱいのわん子の顔を見ながら、
私たちは幸せでした。
やっぱり連れてきてあげてよかった、って思いました。
帰りの車中では、買ったばかりのおやつをあげると
美味しそうにバリバリ食べてくれました。
前日夜から、何も食べられなかったのに、
本当に美味しそうに、目を輝かせて食べてくれたので
「これで終わりね」と言いながらも
「こっちのも食べてみる?」なんて言いながら
いくつもあげてしまいました。

普段なら、人間の食べ物は絶対あげない私だけど、
アイスクリームを舐めさせてあげたり
珈琲に付いてるミルクを舐めさせたり、
この日は、なんとフライドポテトまで一切れお味見。
アイスクリームを食べたときは
「こんな美味しいものがあったのぉ」と言わんばかりに
目をキラキラさせて喜んでいました。
そして、車中で、何度も私を見上げ、笑顔を向けてくれました。
「今日は、本当に楽しいですね。連れてきてくれてありがとう」と
言ってくれてるかのようでした。
途中のSAで、軽くお散歩したときも、尻尾を振って
いつものお出かけ中の楽しげなわん子でした。
そんなわん子を見た私は、
てっきりまた持ち直してくれた、と思い、
携帯でmixi日記に、「復活!」というタイトルで
日記を書き始めました。

3時過ぎに帰宅しました。
またいつものように、みんなが飛び出してきました。
わん子も、車から降りて、チッチ場所で用を済ませていました。
恒例の「お留守番良い子」のオヤツをみんなにあげた時
わん子もバリバリ食べました。
その後、居間のベッドに横になっていたので
「やっぱりドライブで疲れたのね」と思ったけど
息づかいも落ち着いているので
「休んでてね」と言い残し
二人で近所まで出かけました。

5時前ぐらいに帰宅しました。
またまたいつものように、
玄関を開けるとみんながワラワラと待っていて
その中に、わん子もいました。
そして、またチッチしにいき、すぐに家の中に戻りたがったので
ドアを開けてあげると、自分で居間に入っていきました。

私が部屋に入ると、
もういつものテーブル下に横になっていました。
洗濯したマットをそこに敷き直してあげてから、
分別ゴミの整理をしていたら、
突然、わん子が「キャーン!!」と叫びました。
あわてて駆け寄り、テーブル下から抱き寄せていると
再度、「キャーン!!キャーン!」と叫びました。
身体が硬直して、発作を起こしています。
空を見て、苦しそうに叫んでいます。
そして、その痙攣のために、
前日と同じように、お尻からウンチが出かかっていました。
「やっちゃん!わん子が!わん子が!またウンチが出ちゃってる!」
すぐにやっちゃんがペーパーを持って飛んできました。
ウンチを取ってあげながら、わん子を見ると
わん子は、一回、顔を上げ、苦しそうに口を開けて空を見ました。
ウンチが、さらに出ていました。
そして、もう一度、顔を上げて、何か言いたげに焦点の合わない目を私に向けたあと、
ガックリと頭を落としました。舌がベロンと、力なく垂れ下がりました。
腕の中のわん子は、すでに呼吸が止まり、心臓も止まっていました。
あ、逝ってしまったと思いました。

それでも、わん子を抱きかかえ、二人で病院へ向かいました。
先生方とスタッフの方がすぐに緊急処置を施してくれました。
でも、わん子はもう戻ってこないとわかっていました。

わん子、がんばったね。偉かったね。
最後に、笑顔を私たちに残してくれて本当にありがとう。
今まで本当にありがとうね。

もう、咳で苦しい思いをすることもないね。
やっと熟睡できるね。
利尿剤の副作用で、喉が渇いて乾いて、苦しい思いをしたけど
それももうないね。
天国では、好きなだけお水を飲んで、
天国の草原で大好きな背中スリスリをして、
思い切り走れるね。

我が家に来て12年間、本当にありがとうね。
そして、可愛がってくださったみなさま。
本当に本当にありがとうございました。
わん子は、こんなたくさんの方に可愛がっていただいて
幸せな犬生だったと思います。
ずっと一緒に_c0048736_13481059.jpg

こんなたくさんのきれいなお花に囲まれて、
わん子も、感謝していることと思います。

ありがとうございました。
by hirolin4chiens | 2007-07-05 13:53 | わん子
<< 暗くてよくわからないかもだけど ありがとうございました。m(__)m >>